回折現象の考察(50mmレンズ4種 撮影最短距離)


一昨日の記事を受けて、昨日の「近接撮影の絞りとピンの深さ」の話 になりました。
今日もまたまた受けての話。昨日の記事で少しふれた「レンズの回折現象」の話をしてみたいとおもいます。

随分昔にも、回折現象の検証 をしてみたことがあるのですが、そのときは1種のレンズだけを使用したものでした。そこで、今日は「50mmレンズ4種(TOP写真にある4本)」を使い、「全絞り」の絵を観察していきたいとおもいます。

今日の検証方法は、それぞれの「50mmレンズ」のレンズの「撮影最短距離」を使います。旭日旗のような文様の「フォーカスチェッカー」の中心部にピンを合わせることにしました。
高画素記録(6100万画素)の中心部を「等ピクセル(幅400px)」で抜き出し、並べて「幅1200px」の画像にします。記事上では600pxで表示させていますので、等ピクセルでご覧になりたいかたは、写真をクリックして拡大して観察してください。

①ライカ ズミクロン-R50mm

「F5.6」「F8」あたりが一番鮮明で、「F11」で少し回折が出始め、「F16」では完全に回折現象が発現している。

②カールツァイス ディスタゴン50mm F2.8 F(ハッセルブラッド2000FC用レンズ)

このレンズに驚かされるのは、一つ絞った「F4」から鮮明度が極端に良くなり、「F8」で鮮明度のピークを迎える。他のレンズとは一線を画したただならぬ描写力の根幹を見た気がする。ただ、やはり物理現象である回折からは逃れられず「F16」からではじめて、最大絞りの「F22」では、画像が劣化していることがわかる。

③ニコン Ai-AFニッコール 50mm F21.4D

いくらなんでもおかしい結果だったので、己を疑い3回撮影をしたが、結果は同じ。回折とは関係ない話からすると、開放の「F1.4」はブルーミングによるにじみがひどい。一つ絞った「F2」で鮮明度が回復するも「F2.8」「F4」「F5.6」「F8」は「F2」より鮮明度が悪い(しかも、F5.6までは中心部が緑っぽくなっている)。この現象は回折とは関係ないと考えられる。(原因は不明)「F11」でだけが、まともな鮮明度になる。なお、最大絞りの「F16」では、回折が起こりやや不鮮明となる。
Ai-AFニッコール50mmで予期せぬ事態が起こってしまいました。そういや、その昔、ニッコールを使っていた頃、このF1.4の50mmは好きではなく、安物のF1.8のニッコール50mmを好んで使っていたことを思い出しました。。。ただ、これがこの製品の仕様なのか、個体が悪いのかはわかりません。(十年以上本番で使っていないので、ずーと気が付かぬまにスルーしてきたみたい..)

でも、このままではニコン様の不名誉になってしまうため、今回の検証で使用する予定のなかった、かなり古いマニュアルフォーカスレンズの「ニッコールS.C 50mmF1.4」を引っ張りだしてきて、引き続き検証することにしました。


④ニコン ニッコール-S.C 50mm F1.4

開放の「F1.4」はやや甘い印象だが、「F2」からの鮮明度は悪くはない。鮮明度のピークは「F8」で、「F16」で回折現象が軽く起こっている。(繰上さんが、Nikonでは必ず「F8 1/2」で撮っていたわけはこれかぁー!)
この古い方のニコンは、鮮明度としては優秀におもえる。
逸れた話が多めでしたが、今日の結果からみて、
どんなレンズでも、回折による画像劣化が起こる「最大絞り」は使わないほうが良い というではないでしょうか!?(最大から一つ開けた絞りも使わないほうが安全)

※この回折現象起こる原因は、「絞り羽根」の厚みによるものです。厚みが薄ければ薄いほど出にくくなりますし、逆に厚けりゃ出やすくなります。

ここからは余談..。
今回の検証では、うちの「Ai-AFニッコール50mmF1.4D」は酷い、だけど昔のニッコール50mmS.Cが良好ということもわかりました。これが仮に仕様だとすると、レンズをオートフォーカス化するときに、AF速度を上げたいがために、画質を犠牲にした可能性があるかもしれません。(ヘリコイド回転を短くした弊害?)
もちろん、個体が悪いってことも大いに有り得るので、全部は信じないでくださいね。

また、これも回折とは関係ない話、「カールツァイス ディスタゴン50mmF2.8 F」が恐ろしく鮮明に描写するってことの根幹を知ることができました。これはあとから見直してみて気がついたのですが、このレンズだけが旭日旗チャートの「太陽部分の黒の塗りムラ(面相筆のスジ?)」を鮮明にとらえてるんですよ!
刺すような描写の凄まじいレンズということは知っていましたが、それを証明する手だては思いつきませんでした。が、図らずとも今回の回折検証で洗い出さてしまいました。(これさえわかっていれば、クソ重くてデカいのも苦にはならないです。その能力のために必要なんですから..)

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近接距離撮影(0.45m)の各絞り値によるピントの深さの違い


昨日の記事で、フルサイズカメラ + 60mmレンズ 使用で、小物ブツ撮り(近接撮影)絞り値は「F8」くらいが良い と申し上げました。

今日は、それがなぜ「F8」なのか? を検証していくため、このレンズの「全絞り」の近接撮影写真を撮りました。

昨日の被写体(約5×5×3cm)の横に小さな「曲尺」を置き、曲尺の「5」の位置(約0.45m)にピントをあわせ、ピンの深さがどこまで変わるかをみていきます。ちなみに、横の被写体の「PD」と印字されたポイントもピントがあっています。

まずは開放値の「F2」。「5.0」にピントがあっていますが一番ピントが浅い状態。これが基準となります。
絞り「F4」。奥5.5:手前4.5 のあたりまで、ピントの深さが少しだけ伸びました。
絞り「F5.6」。奥6.0:手前4.2 のあたりまで、ピントの深さが伸びました。
絞り「F8」。奥6.5:手前4.0 のあたりまで、ピントの深さが伸びました。
絞り「F11」。奥7.0:手前3.0 のあたりまで、ピントの深さが伸びました。
絞り「F16」。奥8.0:手前2.0 のあたりまで、ピントの深さが伸びました。
絞り「F22」。奥10.0:手前1.0 のあたりまで、ピントの深さが伸びました。

写真をクリックして拡大して比較していただくと、詳細がよくわかります。

今回のような0.45mの近接撮影では、1段絞っても、mm単位のピントの深さしか稼げないことがわかります。

で、横の昨日の被写体に注目してみると、「F8」あたりから被写体全体にピントがきてることがわかります。もちろん、それ以上の絞りでももっとピントが深くなって良いのですが、シャッタースピードが遅くなりますし、不要なところまでのピンの深さは必要ないので、頃合いのいい絞りが「F8」くらいではないかと申し上げたのであります。(絞りすぎると「レンズの回折現象」なるものがおこり、かえって不鮮明になるという理由もあります)

最後に、皆さんが見たい部分をまとめてみました。比較しやすくなるとおもいます。

で、今回の記事で曲尺を使ったので「長さのmm」で見がちですが、これはあくまで「水平の距離の値」です。60°見下ろしアングルで撮っているわけですから、ピントの深さの伸びの距離とは異なることをご承知おきください。(曲尺の数値は目安です)

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 22cm横棒(撮影照明キットオプション)

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「美しキット」で小物ブツ撮りセットの基本ポイント!


【本筋には関係ない小話】
今日、ファミレスでお昼ご飯を食べて会計をしていたら、が次の会計待ちの「スーツを着た女子大生(推定20才)」二人組みの会話が聞こえてきました。

レジ横のキーホルダーをみての会話。
ラベルをみて、
女子A「これ、あまえびのキーホルダーだって!」
女子B「でも、全然あまえびにみえなーい」

ん? こんなところに甘エビのキーホルダーが売ってるのか!?と思い、それをよく見ると、
「アマビエのキーホルダー」でした。。。
つか、読み間違いのうえ、大人が二人してそれに気がつかないなんてwww(あとで気がついたら、そーとー恥ずかしいぞー)

どーでもいい前説の話はおいといて、
今日の本題は「美しい光の撮影照明キット」を使って「小物ブツ撮り」のだれでもできる基本ポイントをお伝えします。
まぁ、この手の話はしょっちゅうやっているのですが、これが本来のお仕事なのでお許しください。(繰り返しやってます)

いつもの通り、オプションの「22cm横棒」を使って「真トップライト」を組んでいますが、今日は主にそのポイントの解説です。

まず背景の話。カベに 白ケント紙(四六判) をアールにしてテープで貼ります。今回使用しているテーブルは幅80cm 。四六判紙は80cm足らずなのでちょうどいい感じです。
この背景を作っておくと、平べったい被写体でも高さのある被写体でも対応できるので、万能的な背景だとおもいます。
オプションの「22cm横棒」など横棒を使うトップライトのときは、スタンドに「おもし」をかけましょう。2Lペットボトルを使うと便利です。「ビニ紐」で輪っかを作ると簡単に「おもし」になります。(→ ヒモの作り方
レンズは、フルサイズカメラの場合は60mmレンズくらいが使いやすいです。KISSなどのAPS-Cカメラの場合でも同じでも良いと思います。APS-Cの場合は50-55mmレンズくらいがベストかな。(使いやすさにおいての話)
撮影絞りですが、特に小さいものの場合は「F8〜F5.6」くらいが良いとおもおいます。これより開けちゃうと、ピンが合いにくくなりますからね。
これはいつも口を酸っぱくして言っていることですが、
面光源ライトの位置は、構図に入らないギリのところまで、被写体に寄せること が重要です。
ちゃんとしたライト位置になれば、ライトは自ずと「レンズ近く」になるはずです。これは「ライティングの型」なので、理屈を知らなくてもいいのでクセづけましょう。
でまぁ、撮れた成果物もいちお、お見せしておきましょう。
ライトの前後の真ん中あたりに置いただけで、なんの工夫もせずに撮りました。白い被写体だったので、レフ板も必要ありませんでした。(でも、ブツ撮りでは必ず必要になりますから、「レフ板」を2枚、用意しておきましょう
まぁ、繰り返しになりますが、大切なことなので、今後も何度もお伝えすることになります。

てか、毎日ブログ書くって想像以上に大変なんですよ。自分でもよく続いてるなぁと思っているくらいです。いやね、やることがブログ記事書くだけだったら、全然大変じゃないんですが、今、並行して5本の動画編集も行っており、M1Macがレンダリングしている時間を利用してMac Proで記事を書いているわけなのですよぉー。今日アップも必要なので、書き出し終わったやつをこっちに送ってMac Proでアップしてるんです。でまぁ、その間にブログって感じ。

というわけで、今日は愚痴で終わりますね。(実は夕方にできてYoutubeアップしていたので余裕をかましていたのですが、Youtubeで確認すると、全てにVRタグが入っていて、全部VR動画に変換されてたんですよー、で慌てて書き出しのやりなおし…全部ですから時間がすごくかかります……..)

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