今ではもう使わないゼラチン・フィルター、見たことない人のためにおみせします


これは、昨日の記事 の入射光式露出計とともに倉庫より発掘されたものです。
上から見るとこぉ。紙の紐で結わかれています。
ほどいてみました。
これはフィルム時代に使っていた 75mm角の「ゼラチン・フィルター」というもの。
リバーサルフィルムの補正*・蛍光灯補正・電球色補正・色演出に使うものです。

*リバーサルフィルムは製造ロットの乳剤ごとにばらつきがあり、CC補正を行わなければならないことがあった。

これらのカラーフィルター(LB・CC)は、今のデジタル撮影には、全く必要なくなりました。だって、あとから補正できちゃいますからね。

Kodakのゼラチンフィルターを一つ開けてみました。これは81Cというライトバランシング、つまり色温度を調整する種類のものですね。(Kodak製の呼び名は難解)
本体はこのうすーいセロハンみたいなもの。
Kodak製は本物のゼラチン製で「空気と同じ透過率」を売りにしてました。なので、Kodak製はとても高い。この一枚が確か1,500円はしたと思います。
一回使っただけで傷が入り、空気と同じじゃなくなります。なので、CFの撮影部の人たちは、一回で使い捨て。かなり、もったいないです。
※ FUJI製は、Kodak製の半値ほど。でもゼラチンではなく、空気と同じ透過率じゃありませんでした。
当時のプロの主流「キヤノンゼラチンフィルターホルダー」に装てんしてみました。
でまぁ、こんな感じで使用していたわけですね。
ヨレヨレな感じが使い古しされたことを物語っています。これも、もはや空気と同じではありません。

実はこのフィルターの束の中にゼラチンのNDフィルターも2枚くらいいれていた記憶がありましたが、入っておりませんでした。
NDフィルターだけは、デジタル撮影でも利用価値があるので、ちょっと期待してたんですけどね。(動画撮影の時にレンズの後玉に貼って使える)

ちなみにKodakのゼラチンNDは、フツーのゼラチンカラーFよりさらにお高い高級品。見つかって欲しかったなぁ。。

繰り返しになりますが、カラーのゼラチンフィルターは、今のデジタル撮影では全く意味をなしません。それどころかレンズ前に空気より透過率の低いものを通すわけですから、画像の劣化をしてしまいます。間違ってもカッコつけて使わないようにしましょう。

で、最後に自社宣伝。
今日もいつものトップライトで、全ての記事写真を撮りましたとさ。

 26cm横棒 (50cmソフトボックス用)

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知らないうちにISO・SS・F値の関係が洗脳されてしまうロングセラー露出計の恐ろしい謀略


倉庫から学生の頃に買った露出計が出てきました。
セコニック スタジオデラックス L-398 という、古式ゆかしき入射光式の露出計です。
なんと、今でも売っているようです。(バージョンアップはされているよう)
数値が記された盤を回して、露出の組み合わせが分かる仕組みです。ISO感度・シャッタースピード(SS)・F値の関係が感覚的に理解できるもので、写真学生が最初に買わされるのも納得します。

現在の全てのカメラにはTTL(反射光式露出)が内蔵されており、こんなもんがなくたって不自由はしません。ですが、「そこにある光の量」を把握することができる入射光式露出計の存在意義がなくなるわけではありません。入射光式の値を理解してこそ、光というものの意味が理解できるというものですから。

まぁ、これを使えなくたって困ることはありませんが、いちおう使い方をちらっとお伝えします。

①光量を測定したい場所に、白の半球状のセンサーをかざし、中心のボタンを押すと針が動く。針が安定したところでボタンから手を離す。

②カメラ設定のISO感度を合わせる(当時はASAと呼ばれていた)

③針が示した値を読む(今回は640と1.25の中間)

④回転盤を回して、③の値を「L▲」に合わせる。(L=Low)

⑤F値とSSの組み合わせが分かる。
※SSが1/125秒に設定の場合、絞り値がF8半。
SSが1/500秒に設定の場合、絞り値がF4半。という具合

見た目超難しそうですが、ちょっと使えばすぐ理解できるはずです。
それに使い込んでいくと、SSとF値の組み合わせの計算が頭の中で素早くできるようになります。

ここまではLowモード(L▲)のは測り方でした。まぁ、スタジオや室内ではこのLowモードで測ります。

次にHighモード(H▲)
つまり、屋外の太陽光がある明るい場所ではこのモードにします。
露出計の頭の先にスリットがありますから、付属の穴の空いた黒い板を差し込みます。これでHモードになりました!(すげーアナログでしょ?)
んで、

④回転盤を回して、③の値を「H▲」に合わせる。(H=High)

と、同じように露出の組み合わせが表示されます。(針の値は、20と40の中間)つまり、Sh50Pro-Vの「調光幅は2EV」 ということが分かります。

実はですね、、今回、LモードとHモードは同じ明るさで測定しております。振れる針の値は違いますが、回転盤は動かしてはいません。従って同じ露出の組み合わせが表示されています。

こーやって使っていくうちに、知らず識らずに「ISO感度・シャッタースピード(SS)・F値の関係」が洗脳されてしまうという…セコニックの謀略が隠されています。今でも販売されてるのは布教活動なのかもしれません。(んなわきゃない)

ついでにこんな使い方もできるという例。
今回のソフトボックスの中には、Sh50Pro-V(調光タイプ) を仕込んでおりまして、先程は「最高出力(100%)で照射しておりました。で、これは「最小出力(20%)で照射しています。
EVの値 をみてみると、「100%=13と14の中間」「20%=11と12の中間」 ということが読み取れます。

まぁ、こんなもの知らなくても写真は撮れますし、全く困りもしません。しかし、「なにごとも基礎が重要」と考える稀有な方はスタジオデラックスを入手してください。鍛錬すると、必ず撮影の底力がつきますから。

 26cm横棒 (50cmソフトボックス用)

039|高演色LED電球
Sh50Pro-V(調光タイプ) & Sh50Pro-S

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三脚座がない重いレンズを三脚(雲台)につけるときの安定化対策


ライカ エルマリート-R135mmです。形・大きさはフツーのF2.8の135mmと変わらないのですが、なぜかすっごい重いです。重いガラスレンズが詰まってるのですかねぇ? それに加えて、このレンズハレーションを受けやすい性質があるので金属フードもがっつりつけております。そして、さらに重くなります。(1kg近く)

この重いレンズをα9につけて、三脚の雲台につけると重が心レンズ側にあるため、水平に構えただけで、やわな雲台だと簡単にお辞儀しちゃいます。今回は強力な 3WAY雲台P-N75ALP を使っているのでお辞儀こそしないものの、油断して締めが甘いと、じわじわお辞儀方向に傾いて始末。仮に雲台が耐えられても、この状態じゃ三脚自体が耐えられなくなる可能性があります。

つまり、この状態はとても不安定な状態。まともに雲台使えません。

重めの望遠レンズでは、通常レンズ側に三脚座がついています。300mmとか400mmをボディで支えるなんてありえないですもんね。200mm以下のレンズには、レンズに三脚座がついていないことが多く、このレンズも三脚座はついていません。

さてさて、このように
三脚座がない重いレンズを三脚につけたいときは、どーすればいいのでしょうか?

ざっくりした答えをいいます。
プレートを使って、カメラの底の三脚穴をレンズ側にシフトさせて「支点」を前に移動させました。支点を前にシフトさせることにより、バランスがとれて、重いレンズでもどのチルト角でも安定的に固定することができます。

なお、今回は最も簡単な方法(安価な方法でもある)、事務所に転がっていたストレートブラケット(弊社商品に非ず) で、支点シフトをしています。
同等品 → ストレートブラケット(I型ブラケット)

また今では一般的になっている、アルカスイス互換の長いプレートを使い支点シフトする方法 もあります。

というか、今ではこちらが主流ですかねぇ。
いずれにしても、レンズに三脚座がついていれば、こんなことで悩むことはないでしょう。(135mmでこんな重いものめったに無いし..)

最後に、、、
今日の撮影で使った機材(弊社取扱商品)を晒して終ります。。(このくらいさせておくれやす)

 26cm横棒 (50cmソフトボックス用)

伸縮式レフ固定アーム II(レフ幅65-120cm用)

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