高難易度な被写体の撮影プロセスをみて学ぶ



今日のお題の被写体は懐かしいシリカ球です。被写体の分類としては「ほぼ反射物」になります。つまり、周りが映り込む被写体こと。反射する周りのことを考えて撮影する必要があるので、簡単な被写体ではありません。加えてこれは「球体」。つまり、「球体の反射物」ということになり、被写体の周りのものが全て映り込むというというのは、難易度マックス と考えたほうが良いでしょう。(鏡面ではないことが、せめてもの救い)

ただ、この難しいモノを、皆さんに撮ってもらおうとは思っていません。みていただくだけの趣向です。

TOP写真には、いくつかの【Error】箇所が記されています。このあと、この【Error】を一つづつ解決していきます。その解決過程の中には「ブツ撮りの秘訣」が少しだけあるとおもいますので、ちょっとだけ気にしてご覧ください。

※今日も「美しい光の撮影照明キット」を使用します。


【Error①】電球上部に黒いラインが入っている問題
この黒ラインはある原因は、白床面とライトが離れていることにあります。隙間から奥の暗い部分が被写体に映り込んでいるのです。このように球体の反射物は背景までも映り込んでしまうという、一切の油断を許さない


白床面とライトをくっつけることで、【Error①】の黒いラインはなくなりました!


【Error②】細い複数の白線がある問題
これはとても単純な原因。室内灯(直管蛍光灯タイプLED)が映り込んでいるだけです。


【Error②】は、室内灯を消せば問題解決します。


【Error③】電球左部が暗い問題
ここが暗いと球体の形が「丸く」みえません。丸い形を見せるためにも明るくする必要があります。


【Error③】左側に「秘伝のレフ板」を立てると左部が明るくなりました。
ただ、ライトの境界線はうっすら残ってしまってます。発光体と白板ですから、絶対この境界線は残ってしまいます。目立たないようにうまく処理をすることもできますが、とんでもなく大変なので、今回はこれでよしとします。


【Error④】光源の中心部の光溜まりが強く映り込む問題
対策としてソフトボックス付属のディフュザー(紗幕素材)から、より滑らかな乳白面の「手作りユポディフューザ」に付け替えました。


【Error4】の硬い光溜まりから、滑らかなグラデーションのより自然なハイライトになりました。


これで、4つの【Error】が解決しました。
ですが、今日はもう少し深いところまで掘り下げてみます。


右側の床背景の白ケント紙を、ティッシュ箱を下に入れて立ち上げました。


電球下部の白床の映り込みと、右部の映り込みがつながりました。

もっと完璧に囲うと、電球の映り込みの抜けた部分(黒い部分)をもっと小さくすることが可能です。ただ、それには囲った白ケント紙に穴を開けたり、とんでもなく手間のかかる作業になります。広告の撮影であれば、もっと手間をかけて完璧を目指すのですが、この記事のためだけの写真なので、今回は、そこまでやりません。


「球体の反射物」が難しいことがお分かりになられたかとおもいます。私自身、かつて佐賀県の有田で白磁の大きな球体ツボを撮影した経験があります。スタジオではなく陶芸作家さんの工房でしたので、できることは限られます。時間をかけて問題を解決しようとしても無理なものは無理なんです。(問題をスルーして撮影続行..)

この知識がないと可否の判断ができずに、問題解決の泥沼に入っていまうことがあるので、深追いしない方が良いことがあるってことだけを覚えておいてください。


 26cm横棒 (50cmソフトボックス用)

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