Kilfitt Makro-Kilar 90mm (キルフィット マクロ・キラー)知られざる生態を徹底解剖!



ウチの商品には、なーーんにも関係ない話をします。

私がニコンに無理矢理つけている、世界初のマクロレンズの独キルフィット社製マクロキラー90mmの生態を詳しく調べてみようと思いつきました。というのも、この半世紀以上前に作られたマクロキラー90mmの情報って日本ではなかなかお目にかかれない。作例写真も少なし・・・。オークションなんかでは、40mmはたまにでるものの、90mmはなかなかでない。。。つまり、情報が少ないということで、やる価値はある(かもしれない・・)記事を書いちゃいます。


ウチにあるものはMACRO ZOOMATARと書かれていますが、どうやらキルフィット社が社名をZOOMAR社に変えたため、Makro-Kilar→MACRO ZOOMATARになったようです。


このレンズの最大の特徴は、等倍まで寄れる!ということにつきると思います。大抵のマクロレンズは1/2倍までですからね〜。。
ちなみに等倍とはどーゆーことか?例えば35mmフルサイズフォーマット(3.6cm×2.4cm)のカメラの場合、3.6×2.4cmのモノ(平面)を画面いっぱいいっぱいにして、ピントがくるということです。



試しに等倍で撮ってみることにしましょう。ここに80円切手のシートがあります。一枚の切手の大きさは4.4×3.2cmです。フルサイズより2周りほど大きいですかね・・・。
















90mmレンズでこんなに近くまで寄って、果たしてピントがあうのでしょうか?













てなわけで、フルサイズカメラのD3につけて撮ってみることに・・。


じゃーんこれぞ等倍レンズの威力!予想通り切手1枚より近くまで寄れちゃいました。凄いですね!尚、レンズがくり出し型のマクロレンズでは露出倍数といわれるものがかかり、寄れば寄るほど、露出が暗くなります。等倍で約2絞り、1/2倍で約1絞りです。←なおTTL測光ではそれも加味されちゃうので関係ありません。分からなければ、知らなくても普通は困りませんので、スルーしてください。


絞り羽根を見ていきましょう。数えると16枚羽根なので真円に近い丸形です。連写ができなかった半世紀以上前のレンズの絞りは多めでとても美しいです。円にちかいってにはレンズに撮って理想でしょう。職人技の組み立てだったんでしょうね。現在のレンズでは絞り羽根は7〜8枚程度のレンズが主流です。だから逆光の写真で良くでるゴーストのカタチが八角形だったりします。絞り羽根数が減った原因は16枚の羽根を連写でガチャガチャやっちゃうと持たないからだとおもいます。(この時代はオート絞りでもないし・・)


マクロキラーの絞りはf2.8〜f32まであります。半世紀以上前に作られたのに8段階の絞り。。。。今のマクロレンズと同じじゃないですか・・・・。

で、ここからが今回記事のクライマックス!

なんと、このマクロキラー90mmの8段階の全絞りの写真を公開します!おそらくこんなこと見せてくれてるところ、日本には無いとおもいます。てか、世界でも初かも、、、
では、その描写の違いをとくと、ごらんあれ・・!(クリックすると大きくなるよ!)









◎D3でRAWで「POWER」と書かれたところにフォーカスをあわせて(距離45cm)撮影。
◎CaptuerOneで全て同じWBを適用。
◎コントラストを全て同じだけ少しあげています(CaptuerOneで+10/50)
◎明るさは見た目であわせているので、若干ばらつきがあります。(スンマセン・・)

F2.8

凄くぽやぽやです。。POWER部にはピンはあります。グリーン浮きも激しい。。でも何だか面白いかも、、

F4.0

やや、ぽやぽや感が減りました。グリーン転びも少なめに。。


F5.6

ぽやぽや感が無くなり、正しい描写になってきました。描写はスゴく柔らかいです。


F8.0

バックフォーカスがあってくると、とても上品な描写になってきます。素直なボケですね。


F11

この距離(45cm)では雰囲気物撮りではこのくらいのフォーカス感がいいでしょうか。


F16

正しい商品撮影では最低これくらいピントがあってるほうが良いでしょう。


F22

さすがf22!正しい物撮りではこの程度のフォーカス具合がベストなのでは?


F32

驚くことに 回折現象 があまり見られません。f32なのにクリアーです。f22よりフォーカスが深くなったという素晴らしい絵になりました。

どの絞りでも、ものスゴく柔らかく(コントラスト低め・軟調・諧調豊富)写ります。開放f2.8〜f4.0では、ファンタジーな作品ができるのではないでしょうかね。
で、このレンズのスゴいところは、開放付近ではやんちゃと見せかけてf5.6以上はとても正しく優等生なレンズである点じゃないでしょうかね。。
ライカビゾフレックスレンズのエルマー65mmやテリート200mmなんかもそうなんですが、諧調主義の半世紀ほど前のレンズって素敵ですよ〜。
とにかく今のリアル主義の解像感重視のレンズとは全然違いますっ。。。。。

あ、そうそう、前にお見せしたマクロキラー90mmで撮った動画は、たしかf5.6で撮ったとおもいますよ。過去記事:→マクロキラー90mm+D800E動画作品「この花な〜んだ?(36秒)」

ん?「古いレンズの話なんてどーでもいいんだよー!で、写ってるラジオスレーブらしきものはなんなんだ!気になるーー」って?(バレてましたか・・・)
えーと、それはまだ教えられません・・(もごもご・・・)。それについては、また今度ねっ♥
※お盆休みというのに、濃厚なブログ記事を書いちゃいました・・・。ウチにはなーんの得もないのに・・・・・;;


facebookページやってまーし!(ログインしてほめてくださーい!)
→https://www.facebook.com/panproduct

カテゴリー: カメラ&レンズ, キルフィット マクロキラー&ツァイスレンズ パーマリンク

4 Responses to Kilfitt Makro-Kilar 90mm (キルフィット マクロ・キラー)知られざる生態を徹底解剖!

  1. keroro のコメント:

    欲しくなりますね。eBay眺めると、4,5本でてますね。
    どうしようかな~。

    • 中居 中也 のコメント:

      この先、この時代のレンズは値段が下がることは無いとおもうのでエイ!ってポチっちゃつても良いのでは?、、とおもいます。現代のレンズではこの描写はできませんし、ライカよりも秀逸感があると、、、。ただ好みの話なので、判断はご自分でお願いします。。

  2. take のコメント:

    はじめましてタケと申します。
    ZOOMATAR MUENCHEN Makro-Kilar 90mm で検索していて、中居さんの2012年「Kilfitt Makro-Kilar 90mm (キルフィット マクロ・キラー)知られざる生態を徹底解剖!」の記事を見つけで拝読させて頂きました。
    実は記事で使われている「ZOOMATAR MUENCHEN Makro-Kilar 90mm」 を偶然手に入れたのですが、当方NIKONのデジカメを使っています。
    手に入れたレンズのマウントは爪が無く、ただ円形の溝が有るリング状の物です。中居さんはこのレンズをFマウントに変換して使っておられる様ですが、アダプターは売られているのでしょうか。もしメールにてご連絡頂ければ現物の写真をお送り致します。
    お忙しいところ恐縮ですが宜しくお願い致します。

    • 中居 中也 のコメント:

      マクロキラー90は様々なカメラメーカーのマウントパーツをつけて売られていたと聞きます。ということは純正品だったのでしょうね。あいにく、弊社ではアダプターの取り扱いはありません。当時の純正パーツを探すか、新たにご自分で作るかの2択となるでしょう。

      そもそも、このマクロキラーは、知り合いからの借り物でして、現在手元にありません。ですので、記事に書かれていること以外はわからないです。

      お役に立てない回答ですみません。

take へ返信する コメントをキャンセル

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

*

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください