ライカRレンズをニコンで使いた〜い!【改造完全ガイド】



フランジバックの長いニコン一眼ユーザーに捧げます。
※分からない人はこの記事は読まない方がいいかも・・・

私はこの数年NikonD3にLeicaRレンズ(SUMMICRON-R 35,50,90mm)をつけて仕事をしています。もちろん、オートフォーカスでもありませんし、絞りも撮影する時にいちいちセットしなければなりません。(手絞り)
ではどうして、そんな面倒なことまでして、ライカレンズを使うのでしょうか?

それは「写り」が違うからです。

1985年にLEICA-R4を買いました。(よく壊れるカメラ・・・)
しばらく仕事でも使い続けましたが、どうしても様々な画角が必要になり、
Nikonを買った経緯があります。(LEICAのレンズが高すぎて、揃えられなかった・・)

なんていうかLEICAは人物写真では「しっとりした生きてる感」が決定的にちがいます。
ツアイスレンズも美しいボケなんですが、優等生な感じがします。

ライカのレンズは優等生ではありません。かなりのクセ玉です。
でも、憎めないヤツって感じですかね・・・・。

その経緯は過去記事をお読みください。
過去記事:→LEICA-RレンズをNikonに装着する方法(自己責任でお願いします)

フランジバックとは?↓この記事に書かれています。
過去記事:→Leicaレンズの魔力に嵌れ、レンズ実用主義。フルサイズマウントアダプター

で、今回みなさんに何を売りつけようとしてるかといいますと・・・・。


ジャーン!
一時入手できなかった「ライカRレンズ > ニコンFマウント(改造パーツ)」です。
私が前に手に入れたヤツより立派な作りです。
今回は見せるだけではありません。ちゃんと販売いたします。


中筒には内面反射防止塗装が施されています。(以前のは自分で塗りました)
絞りのクリックのためのディンプルもキレイに空いています。

簡単に説明しますと、ライカ-Rレンズのオリジナルのマウントを外して、コレに付け替えるとニコンカメラについて使えます。(マウントアダプターではありません!)

但し、ライカRレンズ全てが使用できるワケではありません。
特に広角系は後玉が出っぱっていたり、後玉レンズガードが出っぱっていたりして、、使用できるかどうか分かりません。(ヘリコイドを無限すると一番出っぱる)
つくにはついても、カメラのミラーが当たってしまう可能性があります。
(レンズガードを削ってしまうという荒技はありますが・・・)

今のところ確認できているのは、
ズミクロン-R 35mm・ズミクロン-R 50mm・ズミクロン-R 90mm
(いずれも1985年頃 LEITZ WETZLAR社時代のもの)
時代は少々違っても同じ画角のSUMMICRON-Rではだいたいつくと思われます。



ズミクロンでいけるのですから、
エルマリート-Rも35mmくらいの広角レンズまでだったらイケそうな気がします。(未確認)
エルマリート28mmは・・・・どーかなぁ。いけるとしても後玉レンズガードを削る必要があるかもしれません。。。。(ライカレンズにヤスリをかける・・・って・猛者ですな)
エルマリート-R28mm(2カム)でミラー当りせず、使えました!


50mm以上の望遠系は後玉の出っぱりは少ないので使用できると推察されます。
とにかく、使用できるかどうかは、後玉レンズガード(もしくは後玉レンズ)がカメラのミラーにあたるかどうか・・・その問題だけなのです。

上記を理解した人(+勇者のみ)、この先にお進みください。


【ライカRレンズ→ニコンマウント改造完全ガイド!】

(例)SUMMICRON-R 50mmをニコンマウントに改造します。


【用意するもの】
・お好みのズミクロンなどのライカRレンズ(2カム以降 Rカム・ROMカム推奨)
・弊社販売良質な「ライカRレンズ > ニコンFマウント(改造パーツ)」
・白いテーブル(もしくは白い紙を貼る。小さな部品を無くさないため)
・使いやすいピンセット(100均のはダメ!)
・安ものではない精密ドライバー プラス0番 マイナス1.8mm(100均のはダメ!)
・白い小皿
・チャック付きポリ袋(部品を無くさないため)
・明るい照明(部屋やスタンドの照明)
・夢と勇気と平常心

作業を行う際の注意点(小さい部品を無くさないため注意)
・犬や猫や子供がいないところにこもりましょう。
・携帯電話の電源はOFFにしましょう。(途中でかかってくると集中力を失われる為)
・作業をおこなう前に、床に掃除機をかけましょう。


説明写真は全て絞りマークを上に統一します。(一部を除く)



大まかな分解手順の説明

1.レンズの内側に薄いパーツを止めている3つのねじから外します。(マイナスねじ)
2.マウントをとめている6つのねじを外します。(プラスねじ)
※ゼッタイ順番を守ること!


1.8mmのマイナスドライバーで3つのねじを外します。

・垂直にドライバーはいれましょう。
・下に力を入れながら回さないと、ねじ山を壊します。
・固いかもしれません。くれぐれも慎重に作業をおこなってください。(ドライバーが安物だとねじを壊します)
・ノミくらいの大きさの小さいねじなので、中に落としたり無くしたりしないようにしましょう。(Rマウントに戻したい人は特に・・・)


ねじは無くさないように、ピンセットで皿に入れます。



ココは第一の山場です!気を引き締めていきましょう。

この部品はリングになっているので、隙間から抜き取るしかありません。
絞り連動カムをピンセットで引っ張って隙間を作り、リングパーツの一番狭いところから抜きとります。


これはニコンでは使わないパーツです。



ひとまずパーツをビニール袋に入れます。
名前と分解番号をふっておくと、後から役に立ちます。
(ライカRに戻すかもしれない人用)



2の肯定に入ります。
マウントの6本のねじを外します。
先ほどと同様、垂直にドライバー(プラス0番)を入れて、下に力を加えつつ回すようにしましょう。
この時、ねじは対角の順に抜いていきます。

【POINT!】
この6本のねじは死んでもなくしてはいけません!超慎重に!!!無くすとライカにもニコンにもつかなくなります!



6本のねじが抜けました!
しかーし、すぐにマウントをとらないでください。

まずは深呼吸・・・・
で、、、、



ゆっくり、マウントパーツを真上にあげて裏向けて置きます。
(お鍋のふたを開けておくように・・・)
ゆっくり慎重に・・ですよ・・・。。。



なぜならば、死んでもなくしてはイケナイベアリングボールがあるからです。
置いてあるだけですから、すぐにコロコロいっちゃいます。
マウント側にグリスでくっついている場合もあります。だから落とさないようにゆっくり作業しましょう。



ピンセットで皿にうつします。


プチーって飛ばさないように優しくつまんでください。
(力みすぎ注意!!)


おめでとうございます。
分解作業の山場は超えました!



あとは2つのカム部品がとまっている4つのねじを外しましょう。
このパーツかなりトルクをかけて締められていますから、ねじなめしないように垂直に力を入れながら、「の」の字反対にグッと回してください。
(固くてお使いのドライバーが持たない感じのようでしたら、そのドライバーの作業はあきらめて、違うドライバーに替えるという勇断も大切です)



注意点は右上のカムには2枚重ねの薄いパーツがあるので紛失しないように・・・。


ここまでのパーツは行程毎に分けて、大切に保管しましょう。
将来、ライカRに戻したくなるかもしれませんから・・・





さて、いよいよ組立作業をはじめます。
でも分解より遥かに楽です。
緊張する場面は、例の死んでもなくしたらいけないベアリングボールの扱いだけですかね。。

向きは上の写真を参考にしてください。
赤丸→ベアリングをのせます。
青丸→6本のねじで止めます。



先ほど仮保管していた6本のねじとボールを皿に移します。



慎重にボールを置きます。全神経を集中してください。
力んで、プチ〜って飛ばさないように、、、、、優しく優しく・・・・。
(カメラグリスをお持ちの方は爪楊枝に少量のグリスをつけておくのも安全でしょう)



で、交換マウントをねじ穴に合わせて、真上からゆ〜っくりと置きます。
※ボールをずらさないように真上から優しく置く!



分解の時と同じ要領でクロスさせて、ねじを止めていきます。
最初は緩めに止めましょう。
全部止まったら、全体にクロスさせながら徐々に増す締めをしていきます。
(同じトルクをかけるように・・・)
全部締まったら、作業終了です。



右左に回してみて、クリックが効いていたら成功です!(1/2段)
※広角系のRレンズの場合は、無限の位置でミラー辺りチェックが必要です!

おめでとうございます。
これで貴方もライカユーザーの仲間入りをしました!


では、最後にこのズミクロン50mmがどんな描写をするか作例をお見せします。

撮影データ:NikonD3+SUMMICRON-R 50mm F2(開放)

ど〜ですか?
とろーとした空気感がでてませんか??
冒険をしてもつけたいですよね?

まさに!虎穴に入らずんば虎児をえず。ですよね〜

※この記事を読んで実行していただいてもかまいませんが、全て自己責任でお願いします。良識のある方はお分かりですよね?

で、このパーツ早速売ります。
売場に来てくださいね。。

ズミクロンの為なら虎穴に入っても良い!”ライカRレンズ > ニコンFマウント(改造パーツ)”売場


2012.08.13
ライカRレンズをつけるためのまとめページ作りました!改造の参考にしてください。→ライカRレンズをニコンF・キヤノンEOS・ソニーαで使う方法【まとめ】

カテゴリー: 悪魔の輪っか、魅惑のマウントアダプター, 機材教室, カメラがニコン用, プロの愛用機材(取扱い無しも含む), ライカレンズ パーマリンク

10 Responses to ライカRレンズをニコンで使いた〜い!【改造完全ガイド】

  1. 山田 のコメント:

    驚きました・・さすがですね~

  2. ebony のコメント:

    「素晴らしい」・・ の一言ではすまないですね。
    ライカのレンズを何とかニコン「D800E」に
    装着できないかと検索していました。
    とても参考になりますね☺
    ありがとうございます。

  3. 山田 のコメント:

    これはいいですね・・素晴らしいです・・これですよ。

  4. なかむら のコメント:

    とても参考になりました!
    爪の削られてしまっていたRマウントレンズが
    お陰様で戦列に復帰しました!

  5. かーくん のコメント:

    大変参考になりました、実は先日エルマリート24mmにチャレンジ、レンズガードを波型に削る必要がありましたが成功しました。ライカ特有のしっとり感にシビレまくっています。ありがとうございました。

  6. みつたか のコメント:

    購入しました。
    こちらの手順通りに進めれば、さほど難しくはないと思います。ズミクロン90をD700で撮ってみましたが、すばらしいです。本当に購入して良かったです。
    ひとつだけ落とし穴があり、クリックボールに気を取られていたら、ネジを強く締めすぎたらしく、ネジのアタマが折れてしまいました。スペアのネジも販売してくれるとうれしいです。

  7. yakawam のコメント:

    VARIO-ELMAR-R 28~70mmROMのライカレンズをNIKOND810で使える様にしたいのですが
    広角だとミラーに当たるとの事ですが、いかがでしょうか?

    • 中居 中也 のコメント:

      残念ながら、ZOOMに関しての情報は弊社では把握しておりません。ズームは後玉が突き出る量大きいと推測されますので、当たる可能性は高いのではと考えます。

  8. laskey775 のコメント:

    こんにちは。はじめまして。

    貴重な情報とガイドをありがとうございます。
    Summicron-R 90mmが永らく防湿庫の肥やしとなっておりましたが
    今般、「虎の穴」に入門させて頂き(笑)、無事、Nikon機での使用が
    可能となりました。

    人物撮影はNikkor85D、DC Nikkor 135、Zeiss Planar85 1.4
    が主力で、Summicronを使いたい時はSony α7Ⅱにマウント経由で
    使っていましたが、普通にNikon機で使えるようになって嬉しいかぎり
    です。

    記載の写真付きガイドも、まるで「暮らしの手帳」並みに分かり易かった
    です。

    最後に、自分のは2カムで、カム内側のリングは同様になるものの、ネジ
    は2か所留めでした。カムも一枚の金属パーツで、ロットごとに微妙に
    作りが違うようです。

  9. Leica-Love のコメント:

    Leica ELMARIT R-Mount 35mm装着しました。
    問題無く使用出来ております。

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