汁物料理写真は「反射半回避」が決め手!



昨日の食品パック撮影の記事で、
最後に捕捉的にいった「汁物料理」のライティング 反射半回避 の話をします。

本日の被写体は汁物料理の「にゅうめん」です。食品パックで向いていないとされる「逆トップライト」で、試しに「にゅうめん」を撮ってみると、


昨日の食品パックと同様、にゅうめんの汁にソフトボックス(面光源)が反射して、具材が見にくくなってしまいました。

というわけで、光の反射から逃げる必要があります。ここで、中学で教えられたであろう 反射の法則 を思いだしてみましょう。

重要なのは 入射角と反射角は等しい ということで、言い換えると、
この「横からの図」では 左右対称角 となるということです。

面光源(ソフトボックス)には前後の幅がありますから、後方(図の右側)に逃げても光の反射から逃げることはできません。(そもそも、ド逆光になるので肝心の被写体を照らせない)

そのため、ライトを前方(図の左側)に逃げて反射を回避するという方法一択となり、自ずと「真トップライト」の配置となります。


反射の法則にしたがい、カメラ側にライトを動かし「真トップライト」にすると、
反射を全回避 することができるはずです。(昨日記事の食品パック撮影と同じく)


真トップで撮った写真はこちら。思惑どおり、汁の光反射がなくなり具材がよく見えるようになりました。

もちろん、これでも要件を達しているので悪くはありません。ですが、
プロとしては料理写真としてもう少し美味しそう に見せたいところです。(このままじゃぁ、プロの写真とはいえないとおもう)


そこで昨日記事の最後にいった気になるワードの 反射半回避 という技を使ってみました。

わかりますかねぇ..少しだけ汁の反射を残しました。実は「にゅうめん」の汁は、少しとろみがついています。全反射回避だと、透明に見えすぎてそのとろみ感は伝わりません。少し反射させることで、とろみを感じさせる写真になりました。これがいわゆる 料理写真の「しずる感」 というヤツです。結果、少し美味しそうに見えるようになったでしょ!?


反射半回避の具体的なやり方ですが、ライト配置位置だけで説明すると、
ライトを真トップと逆トップの中間に配置する となり、如何にも簡単そうに思えますが、重要なのは、ファインダーを覗きながら、面光源(ソフトボックス)の後方末端線の境界を汁に写し込むように、ライト位置を調整すること が反射半回避の極意です。
かみくだくと「光が反射するところと、光の反射がないところの境界線を汁に写し込む」ってことですね。

ただ、光の反射がありすぎると汁が白ちゃけ過ぎて具が見えなくなりますし、反射がなさすぎるとしずる感がなくなりますので、
最終的には撮影者自身の判断の塩梅に委ねることになります。(センスが問われるってヤツです。そいつを持ち合わせているのがプロってやつでしょう)
何事も「詰め」が大切なことはいうまでもありませんが、


今回、もう一細かいテクニックを使っています。それは、
光の境界線にあたるライト後方の末端線を斜めに配置していること です。
斜めの理由は、汁物によっては境界線がくっきりでることがあるのですが、それが水平だとやっぱダサいでしょ?(今回のでも、よく見りゃ分かる) 
※ここまで明かしちゃうのは、ちょっとサービスしすぎかな..と、プロの皆様ごめんなさい。。


汁物料理写真では「反射半回避」が適していることがおわかりになられたでしょうか?いや、十分すぎるほど丁寧に極意をご説明しているつもりですので、分からない人はいないと信じたいです。。。


ちなみに今回の被写体は、セブンで売ってるこの商品。お湯入れて1分でできるってやつでした。で、これ、よくあるツヤのあるコーティングされたパッケージなのですが、、


こんなもんですら、パッケージが反射しちゃうので「反射全回避」方式でライティングする必要がありましたとさ。。(あらゆる商品がそうなんだろうね..)


 26cm横棒 (50cmソフトボックス用)

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食品パック(ビニールをまとった被写体)のライティング技



皿置きの「ノルウェー産 アトランティック・サーモーン」の食材写真です。
みずみずしいさを感じさせる”てり”があり、鮮度の良い食材という印象を受けます。


カメラアングルは、だいたい俯角45°。ライティングは 昨日お伝えした 50cmソフトボックスのやや逆トップライト です。

食材の表面に光を受けさせた(反射させた)ことにより”てり”が与えられています。同時にお皿も面光源を受けており、反射のグラデーションで高級感を演出する効果もあります。
このセットは食材写真だけではなく、完成料理に差し替えても美味しそうな写真が撮れることは、たやすく想像できるとおもいます。

しかーーーし!
皿置き食材写真(料理写真)ではプラス要素になっていた”てり”が、
逆に問題になってくるケース(被写体)あることが、今日の本題!

※いつも逆トップはいいとは限らない。


例えば、全く同じ条件でラップに包まれた「食品パック」を置いてみると、
まともにライトの反射を食らって、
ラップがテカって肝心の中身がまともに見えなくなりました..。
※スーパーのチラシの大量商品撮影では、わざわざラップをはずして商品を撮ったりしませんでしょ? 食品パック撮影の需要も案外多いとおもいます。


このような「透明ビニールなどを纏った被写体」では、やや逆トップライトは向かない のであります。


この「透明ビニールのテカり問題」を解決するためには、光が反射しないような位置にライトを逃す必要 があります。今回は光の反射角から逃げられる(かつ、被写体をちゃんと照射できる) 真トップライト を選びました。

ライト位置を動かして「真トップライト」にすると、入射角反射角が変わり、ライトの反射から逃げられるという理屈です。(入射角と反射角は等しい)


真トップライト!反射を回避して撮った食品パック写真がこちら!
ちゃんと中身のサーモンがクリアに見えるようになりましたね。

真トップにしたせいでライトが被写体から遠くなり、皿置きの逆トップの写真と比べるとみずみずしさが幾分失われましたが、それは仕方ありません。そもそもラップの反射で中が見えないほうを選ぶという選択肢はありませんから。

ちなみに、ラーメンや汁ソバなど、汁物の料理も汁がテカり過ぎて「麺や具材が見えない問題」が発生することがあります。この場合も反射回避対応をするわけですが、「反射全回避」をすると汁のシズル感も損なわれるため、テカりを少し残す「反射半回避」くらいの対応が適切だとおもいます。


 26cm横棒 (50cmソフトボックス用)

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ブツ撮りライトが「やや逆トップ」になってしまいがちな根本的な理由



天板上でのブツ撮りでは、やや逆トップライト になってしまいがちです。
ライティングの効果を狙ってそうなることもあるのですが、もっと根本的な理由があります。今から明解にお答えしましょう。


真トップライト を組み、ブツ撮りでよくある俯角30〜40°でカメラを構えました。ライトがカメラフレームに入らないためには、この高さになります。(ぎりぎりフレームアウトのライト位置)


次にカメラは同じアングルのまま、やや逆トップライト を組んでみました。ライトがフレームインしないギリの高さはこのくらいです。

いずれのライティングも、「面光源は被写体にできるだけ寄せること」というブツ撮りの基本 を守っています。
それでは、真トップとやや逆トップのセット写真を重ねてみて比べてみることにしましょう。


被写体とライトの真ん中の距離は、こんなに違っていました!

つまり、やや逆トップは効率よく被写体に近づけることができる ってことなんですわ。(カメラ目線と平行なのね..)
ブツ撮りでやや逆トップライトになりがちになるのは、こんなシンプルな理由だったとは..ちょっぴり騙された気分になりましたかね?

※すべてのブツ撮りで、逆トップが良いというわけではありません。真トップ・フロントトップを選ぶべきこともあります。


 26cm横棒 (50cmソフトボックス用)

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