13年前に青磁器撮影のために自作した漆喰背景パネルのこと



13年前、作家ものの青磁器を撮影する案件がありまして、そのために自作した背景パネル2枚(120×90cmくらい)です。
これは塗装ではなく「漆喰」つまり左官作業をして作りました。漆喰自体は白なので、水性黒塗料を混ぜて塗り固めました。乾くと色が明るくなってしまうため、塗って乾かしては黒を足し、と希望している濃度になるまで、3,4日かかった記憶があります。


さて、なぜこんな「濃灰色」にする必要があったのでしょうか!? 陶磁器の撮影では、通常「レフ板」は使えません。四角い白が、被写体にモロ写り込んでしまうからです。なので、光源以外に白はない方が良いわけです。特に「青磁器」は繊細な色合いなので、ムラがある「濃灰色(ニュトラル・ダークグレー)」が適しているのではないかと考えて、作ったわけです。

2枚作ったのは、大きな青磁器を撮るには、床面と背景面の2面が必要だから。スタジオのように「アール」にするのが理想ですが、自然光の入るハウススタジオに持って行く必要があったため、2枚板になりました。
※青磁はガラス層があるため、透明感がより表現できる自然光を選んだ。


自分では、まぁまぁ味わい深いグレーのムラができたとおもいます。

この板を、窓があるハウススタジオに運び込み、コロの付いている板の上に撮影台を組み、その上にこのパネルを床面背景面のL字に組んで舞台を作ります。

スタジオにある「一つの採光窓」だけを残し、他の全ての窓の光を塞ぎます。コロが付いている撮影台をいい感じの光になるような位置に移動し調整します。つまり、窓は動かないので撮影台を動かしライティング調整をするという、フツーとは逆の調整をするわけですね。

ま、そんな具合で撮影した青磁器の作例を、一気にお見せいたしましょう。








とにかく、一つの窓から採光した光のみで撮りました。近くに白いものがないように注意をしています。※青くないものありますが、これも青磁です。

ワンライトは立体感を演出するのには適していますが、その角度の調整はかなり難しいです。なんせ、ピンポイントですからねぇ。見せ過ぎず見え無さ過ぎず、ほんでもって被写体の形とテクスチャーを魅力的に見せる、これは容易なことではないです。光の道理を分かっていないと絶対できません。

今回ご紹介したお話はアマチュア様には向きません。真似して怪我をしかねないからです。そもそも、背景を自作するのに3,4日要する、なんてハードルが高過ぎて、真似する人もいないでしょけど…。

あかーん!!こんな記事書いていても商品はなーんも売れん!!!できればショップも見ていっておくんなまし。↓
shop-top

nomi

new-blog

【twitter】パンプロダクト新着・再入荷専用アカウント
→https://twitter.com/panproduct
滅多につぶやかないのでウザくなーい!最低限の文字数で淡々と情報のみをお届けします・・

facebookページやってまーし!(ログインしてほめてくださーい!)
→https://www.facebook.com/panproduct


 

カテゴリー: 撮影術 パーマリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

*

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください